胆嚢(たんのう)は、肝臓で作られた胆汁を一時的に貯蔵しておく場所で、貯蔵された胆汁は、食べたものの消化を促すために、食事をすると十二指腸に放出されます。この胆嚢内にゼラチン質の粘液が貯まってしまう病気を、
胆嚢粘液嚢腫(たんのうねんえきのうしゅ)と言います。粘液の貯留が多くなると、胆嚢が破裂してしまい、腹膜炎や肝炎、膵炎など、重大な合併症を続発させる可能性があります。胆嚢がいつ破裂するのかは予測できず、ある日突然発生します。

正常

胆嚢粘液嚢腫
- 主な症状
-
- ほとんど無症状
- 嘔吐、食欲不振、黄疸などの症状が現れた場合は胆管閉塞や胆嚢破裂を生じている可能性が高いです。
- 原因
-
胆嚢粘液嚢腫が発生する原因は不明で、効果的な予防法はありません。
診断
診断は主に
超音波検査で行います。正常な胆嚢は胆汁で満たされているため、中がきれいな黒色に映ります。胆嚢粘液嚢腫になった胆嚢は、胆嚢内がきれいな黒色ではなく、キウイフルーツ状に映ります。また、全身状態の確認として血液検査を行います。
治療
胆嚢摘出を行います。方法としては、開腹手術と硬性内視鏡下での手術があります。胆嚢粘液嚢腫になると、胆嚢がいつ破裂するのか予測できません。明日破裂してしまうかもしれませんし、生涯破裂しないかもしれません。
ただ、破裂すると命に関わるため、胆嚢粘液嚢腫が発見されたら、予防策として早めに摘出することが奨められます。状態が落ち着いていれば、翌日に退院することができます。